科学ワンダーランド

東北大学附置研究所等一般公開 | 片平まつり2017

東北大学

2017年 10/7(土)・8(日)

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科学のおはなし 30分でわかる科学の不思議シリーズ

ガラスの不思議

~金属のガラスがあるって本当なの?~

「ガラス」と聞くと、透明で、強い力を加えると割れてしまうような壊れやすいもののイメージが強いかもしれませんが、科学の世界でいうところのガラスはちょっと違います。
物質には2種類あって、結晶とガラス(非晶質、アモルファスという呼び方もあります)という状態に分けることができます。液体→固体になる過程が少し異なり、素材も同じで、見た目も似ていることがありますが、まったく違うものができてしまうのです。原子のレベルでよーく見ると結晶は原子が規則通りに並んでいて、ガラスのほうはバラバラに並んでいる状態なのです。これが科学でいうところのガラスです。金属は結晶になりやすくガラスの状態にするのは難しいのですが、近年の研究でガラスを作ることが可能となりました。金属のガラスは金属ガラスと呼ばれ、鉄鋼よりも何倍も丈夫です。例えば、直径3ミリほどの金属ガラスの棒で車1台を支えることができてしまうほど!無秩序にバラバラに並んでいるように見えますが、数学者も加わった最近の研究により、実は隠れた秩序があることも分かってきました。

池田先生からメッセージ

材料研究をするためには、まずは物質の違いを知ることが大切です。本質を知ることができたら、次は思い通りに作り分けることができるようになることで、新しい材料が生まれます。
その昔「金属はガラスにはならない」と思われていましたが、東北大学はその概念を覆し、金属ガラスを作ることに成功しました。まったく新しい発想を持って、研究に取り組むことがとても大事なことなのです。

池田 進 准教授
材料科学高等研究所(AIMR)

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