科学のおはなし 30分でわかる科学の不思議シリーズ
レーダー遺跡調査の不思議
~レーダーで古墳の中が見えた!~
地中レーダーは電波を使って地中の空洞や水、金属や木などを目で見ることができます。道路やトンネルの破損しているところや水が漏れ出している場所の検知にも使われますが、今、研究を進めているのは古墳などの遺跡調査のための地中レーダーの利用です。
古墳(こふん)は土を盛り上げた丘のようなお墓で、日本各地で見ることができます。古墳はその土地を治めた人や豪族などのためのもので、たくさんの財宝や身の回りのものを一緒に埋めたと考えられています。しかし、貴重な文化財である古墳を掘ることは制限されていることが多く、何が埋まっているのかわかりません。そこでレーダーを使って調査します。古墳は3世紀頃から7世紀くらいにかけて作られているので、今から1800年も前のものを見ようとしているということになります。レーダーで見えてくる画像から悠久の歴史に思いを巡らせることができるのです。

佐藤先生からメッセージ
地中レーダーは戦争があった地域の地雷除去にも使われています。金属探知機とレーダーの特性を組み合わせることにより、より効率的に地雷を探しだすことができるようになりました。ほかにも道路やトンネルの調査にも使われ、事故を事前に防ぐことができるのです。使い方に応じたレーダーを開発して、いろいろなところで活用されることを願っています。

佐藤 源之 教授
東北アジア研究センター
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