科学のおはなし 30分でわかる科学の不思議シリーズ
生き物の動きの不思議
~ロボットを創って探る生き物のヒミツ~
生き物は生きている環境に合わせ、しなやかに動きながら、力強く生きています。でもロボットについて考えたとき、カクカクしたような動きを思い出してしまいます。そこで考えたのは生き物の動きをロボットに応用できないかということでした。例えば、クモヒトデというヒトデは5本の腕を使って動きますが、危険を感じると腕を自ら切り離して逃げるというトカゲのしっぽのような習性があります。トカゲはしっぽがなくとも4本の足で逃げますが、クモヒトデは動くために必要な5本の腕の1本がない状態でも同じように動くことができます。
また、ヘビはクネクネと動く動作で前に進み、狭いところでも、デコボコしたところにも入って行くことが出来ます。ヘビの体のつくりをマネして、ロボットを作ってみると同じようにしなやかな動きを再現することができました。このロボットを使えば、人が入っていけないような狭いところにも入り込んで作業ができるようになります。

石黒先生からメッセージ
研究室では様々な生き物を飼い、動きや生態を観察しています。生き物はとても力強く生きていて、例えば、足が一本折れてしまったとしても、ほかの足をうまく使って、動き回ります。人間の体では考えられないことですね。生き物の動きを観察して、ロボットに応用をするだけでなく、ロボットを作ることで生き物のからくりを深く理解していきたいと思っています。

石黒 章夫 教授
電気通信研究所
キャラクターからクイズ
